番組紹介
- あなたの体のお悩み解決します。
子どもの発達障害について
2018.01.15(月)放送
今日のドクター
日本小児神経学会 専門医
滝口 慎一郎 先生
病気説明
子どもの中には、友達と仲良くすることや感情を読み取ること、集中することやじっとしていること、読み書き計算、が年齢のレベルに比べて苦手でとても困っている場合があります。この発達のつまずきを発達障害といい、子どもの約5%にみられます。今までは発達障害というと『発達の遅れ』というイメージがありましたが、実際は子ども一人ひとりの個性や能力、学ぶスピード、興味の対象が異なるため、複数の症状がさまざまな状態でみられます。
意外と知らない?対処法
- しつけの問題ではありません
- 発達障害は生まれつきの脳発達のアンバランスが原因と考えられており、基本的にはしつけや育て方の影響で発達障害になることはありません。発達障害の子どもは生活や学習で困難を抱えていても『見た目からはわかりにくい』ため『わがままや努力不足』『親のしつけや育て方が悪い』と周囲から誤解や非難を受けやすく、子どもが自分を責めたり、家族がつらい思いをすることがあります。しつけや育て方が発達障害の原因ではありませんが、不適切で過度なしつけは症状を悪化させたり、子ども虐待につながることがあるので注意が必要です。子どもたちの明るい未来のためにも、発達障害を正しく理解することが大切です。
- 二次障害に注意しましょう
- 発達障害の対応を放置すると、周りとのコミュニケーションがうまく取れずに孤立したり、友達関係のトラブルや学習の問題できつく叱られることや失敗の繰り返しのため意欲や自信が低下して、不登校や引きこもり、睡眠障害、うつ病、非行といった二次的な問題を引き起こしてしまう可能性があります。自信を取り戻し、二次的な問題を防ぐためにも、早期に発達障害に気づき、目標設定の見直しなどの適切な対応や治療をするようにしてください。対応や治療には、対人関係や社会性の発達を促す「療育支援」や落ち着いて集中しやすい環境を作る「環境調整」、「お薬」で気分の調節や集中力を高めるなどの症状コントロールを行います。
個性や特性を活かして社会で活躍している人はたくさんいます。子どもたちが充実した生活を送るためにも、その子の得意な技能や分野を見つけて伸ばし、苦手な部分を補う工夫や手助けなど適切に対応して、治療の機会を逃さないようにして欲しいと思います。
過去の放送
- 2014年02月20日(木)放送大腸がん
- 2014年02月06日(木)放送強皮症
- 2014年01月28日(火)放送花粉症対策
- 2014年01月14日(火)放送食べ過ぎ
- 2014年01月07日(火)放送スノーボードによる転倒時の注意点
- 2013年12月17日(火)放送猫背について
- 2013年12月10日(火)放送気管支炎
- 2013年11月26日(火)放送RSウイルス
- 2013年11月19日(火)放送大腸ポリープ
- 2013年11月05日(火)放送糖尿病
- 2013年10月29日(火)放送急性扁桃炎
- 2013年10月22日(火)放送逆流性食道炎
- 2013年10月15日(火)放送インフルエンザ
- 2013年10月08日(火)放送食中毒
- 2013年09月24日(火)放送痔
- 2013年09月17日(火)放送アトピー性皮膚炎について
- 2013年08月27日(火)放送副鼻腔炎
- 2013年08月20日(火)放送五十肩
- 2013年08月13日(火)放送胆石
- 2013年08月06日(火)放送角化症