番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

膵炎

今日のドクター

日本消化器病学会 指導医
渡邊 弘之 先生

病気説明

膵臓は胃のちょうど後ろ側にある重要な器官で、膵液などの消化液を分泌する外分泌機能、インスリンというホルモンを血液中に分泌して血糖値をコントロールする内分泌機能があります。膵炎は膵臓に炎症が起こり痛みを生じる病気で、大きく分けると急性膵炎と慢性膵炎があります。膵炎は、アルコール摂取の影響などで膵液中の蛋白分解酵素が活性化されて、膵組織を分解することで炎症が起きます。針でさされるような激痛が持続することもあります。

意外と知らない?対処法
お酒の摂取以外にも膵炎の原因があります
通常、膵炎は膵臓で作られた膵液が流れる、『膵管』という器官が何らかの原因で詰まり、膵液の流れが悪くなる事で起こります。アルコールは膵管の出口を収縮してしまい急性膵炎を引き起こしやすいですが、胆嚢から流れ出た胆石が出口を塞いでしまう事でも膵炎は起こります。胆石は体質的にできやすい人もありますが、脂っこい食事を多く摂取すると出来やすくなりますので、アルコールも含めて食生活の改善にも心がけるようにして下さい。
膵炎は点滴だけで治る場合があります
急性膵炎の治療は、食事を止めて、膵臓を休めることが必要です。活性化された膵液により、膵臓に炎症が起きていますので、膵液の働きを弱める『蛋白分解酵素阻害剤』を点滴で持続的に投与する事によって、炎症を抑え、膵臓を回復させます。その際、3日から7日ほど絶飲絶食が必要になります。急性膵炎は進行すると合併症を引き起こして重症化することもありますので、上腹部痛や背部痛などの自覚症状がある場合は早めに病院を受診し治療を受けるようにして下さい。
まとめ
膵炎はアルコールの飲み過ぎや脂っこい食事などによる急性膵炎と長期間多量の飲酒を継続することなどによって徐々に進行する慢性膵炎とがあり、どちらも食生活が深く関係していると考えられていますので、日頃からの食生活にも注意すると良いでしょう。
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