番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

中耳炎

今日のドクター

日本耳鼻咽喉科学会
福井県地方部会
石島健 先生

病気説明

中耳とは鼓膜の奥の空洞のことです。そこに炎症が生じる中耳炎にはいくつかの種類がありますが、お子さんに多い中耳炎として急性中耳炎や滲出性中耳炎が挙げられます。特に滲出性中耳炎に関しては、アメリカでは5歳以下のお子さんでは、風邪の次に多い病気と言われています。今回は、急性中耳炎、滲出性中耳炎についてご紹介します。

意外と知らない?対処法
急性中耳炎に必ず抗生剤を使用するわけではない
急性中耳炎はのどにいる細菌が、耳管という中耳と鼻の奥を結ぶ管を通って、中耳に侵入することによっておこります。急性中耳炎になると耳が痛くなり、ひどくなれば耳だれが出ます。治療方法としては主に薬での治療です。抗生剤が用いられますが、鼓膜の状態などを確認して症状が軽い場合は、あえて抗生剤は使わず、鎮痛剤のみで様子を見ることがあります。ですから必ず抗生剤を使用するわけではありません。これは抗生剤が効かない厄介な細菌の蔓延を防ぐためで、学会が定めた治療ガイドラインでも推奨されています。また、重症で鼓膜が腫れているときには鼓膜に穴をあけて中耳に充満している膿を出す、鼓膜切開という治療も行われます。
しん出性中耳炎は、液を取り除かなければいけない
滲出性中耳炎とは、中耳に滲出液がたまる中耳炎のことです。中耳に液体がたまると難聴になりますので、液がたまっているときには鼓膜を切開して滲出液を排出します。通常数日で切開した穴は自然に閉じます。しかし一度滲出液を取り除いてもすぐにまたたまってしまう人もいます。その際には耳管を通して中耳を換気できるようにするために、鼓膜切開をした後に小さなチューブを鼓膜に留置するということが必要になります。
まとめ
急性中耳炎は、風邪が原因でなることが多いため、風邪をひいて耳を触る、機嫌が悪くなるようでしたら、耳鼻科を受診してください。また、お子さんは自分では耳が聞きにくくなったとは言わないこともありますので、聞き返しが多くなる、テレビのボリュームを大きくするというようなことがあれば、滲出性中耳炎の可能性がありますので耳鼻科医にご相談ください。
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